その後

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その後

私はそのスピーチだけは熱心に聴いていた。そのはずなのに、どうしても話していた人の名前が思い出せなかった。ただ、かっこよくて、しっかりとしている大人の女性を見て、こうなりたいなと強く思っていたんだ。 そして今、私はとある高校の体育館にいる。今日は卒業式で、私は来賓として招かれたのだ。ここに来るまでに色々な体験をしたし、子供の様な想像力を失わずに済んでいた。あの女の人の顔と声は、もううっすらとしか思い出せない。それでもまたどこかで会える事を願って、私は初めてのスピーチをする。心の中で1人でも多くの若い人に届けと思いながら、口を開いた。
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