泥棒猫

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「ミケや、一緒に布団においで」 婆さんが電視箱(テレビ)を止めて呼んでいるが、(アタシ)は構わず炬燵に居た。 暗くなッた部屋の床の間に、二つの絵が掛けられている。 懐かしい其奴(そいつ)は憎ッたらしいことに、二百年経ッても色褪せもせず穏やかに見詰め合っていた。             了
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