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僕が生まれたのは、とても快適なところだった。
食べ物はたくさんあるし、喉だって乾かない。もちろん寒くも暑くもなくて、のんびりできる良いところだった。
たった一つを除いて。
そのたった一つというのは、とても恐ろしい奴らの事だ。
それはとても巨大な生き物で、僕の住んでいるところの周りをいつも大きな足音で歩き回っていた。
どうやら僕達のことが嫌いみたいで、見つけると甲高い警戒音を発してきたり、そのまま攻撃してきたりする。
僕の両親は奴らに殺された。
最後に見た両親は、奴らに叩き潰される瞬間の姿だった。
僕を心配させるまいと最後まで笑っていたっけ。
もちろん、それっきり両親は帰ってこなかった。
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