助けなきゃ

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助けなきゃ

 弱々しく丸まった黒い塊は、思ったよりもゴワゴワしていた。目ヤニで目が開いていない。身を守るみたいに、もっと丸く小さくなろうとしてる。 「元気ないね、どうしよう」  どうしようって。鳴き声からして、どうしようもないのはわかってた。弱っていることも、連れて帰れないことも。だから私は動けなかった。こっちゃんの眉がへの字になってる。ずるいな、そんな目で見られたら助けずにはいられない。 「親とはぐれちゃったんだよきっと。えっと、んーと、どうしよう」  猫までニャアって鳴くもんだから、私の胸はキュッてなった。助けてあげなきゃ。家は無理。二人で育てる?無理。誰かにお願いする…? 「…猫ばあさん」 「猫ばあさん?」 「うちの近くの…猫屋敷。そこなら助けてくれるかも!」
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