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こんにちわ
こっちゃんは今から罰を言い渡されるかのような面持ちで、子猫を大切そうに懐に抱えている。私もきっと同じ顔をしているんだろう。
「大丈夫、優しいおばあちゃんだから」
こっちゃんに、というよりも自分に言ったような気がする。唾を飲み込んで大きく息を吸った。
「こ、こんにちわー!猫田さん」
声が震え、語尾は小さくなってしまった。猫たちがギョッとした目で私を見る。何匹かは物陰に移動した。肝心の黒い影は横になったまま反応はなかった。
「こんにちわー!!」
猫たちがさらに散った。口を開けて警告を示す猫もいる。
「ん…」
黒くて丸い影が起き上がる。
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