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っしょ
「…どちら様?」
「突然お邪魔してごめんなさい、✕✕小の早坂未希です!」
「井上琴乃です!猫が、猫が弱ってて、助けてもらえませんか?」
猫ばあさんはテーブルに手をついて立ち上がり、前屈みでのそりのそりと私達のほうへとやってきた。丸っこい体型に、黒の混じった白髪。腰はいくらか曲がり、縁側の数センチの段差を「っしょ」と声掛けをして降りる。目を眇めて私たちを交互に見た。瞬間、パッと顔色が明るい色に変わる。
「あれー!可愛い子たちだねー。学校のけえり?」
あ、聞こえてなかった。
「✕✕小の早坂未希です。猫ばあさん、あの」
「あれ?早坂さんちのみきちゃんけ?大きくなったもんだなぁ!今何年生になったの?」
「三年生です」
「三年生!大きくなったなぁ。おらーたまげたー、誰がいんのさと思って。みきちゃんのお友達け?そのにゃーこめはどうしたのよ?」
猫ばあさんがこっちゃんと、その懐の子猫に視線を移す。
「みきちゃんと同じクラスの井上琴乃です!猫田さん初めまして。猫が弱ってて、助けてもらえませんか?」
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