BBQ

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BBQ

翌日…… 僕達はワンボックスカー2台で30分程度走り、川沿いのバーベキュースポットに到着した。ここでバーベキューをしていました、と分かるぐらい、その部分だけ雑草が生えていない場所があり、隣には少し流れの速い綺麗な水がサラサラと流れている。 食べ物が出来上がるまでは、皆は準備をしたりして、僕達猫チームは暇になるかなと思っていたけど、スミレちゃんのお友達のシノブちゃんという女の子も猫好きのようで、レオンと僕を遊んでくれた。可愛がって貰えるように、取り敢えず、この子にも媚びを売っておいた。どうやら、僕には女の子に好かれる才能があるみたい。 お肉が焼け出したので、皆食べ始めた。スミレちゃんのお兄さんとお父さん、シノブちゃんのお兄さんとお父さんはビールを飲み始めている。話の内容から、帰りはお母さん達が運転するみたい。あっ、魚の良い匂いがする。バーベキューには魚ってイメージがあまり無いから、僕達猫のご飯じゃないかな? 「ムギー、レオンー、ご飯よ~」 スミレちゃんが僕達に焼き魚を持ってきてくれた。 旨そ~! 鯵かな? 何の魚か分からないけど 1口食べる。美味しい。ガツガツとあっという間に平らげた。 何て幸せなんだ。記憶喪失の野良猫から一転してお金持ちで優しい御主人の飼い猫になるというシンデレラストーリー。雄だからシンデレラボーイって言うのかな? もしかすると、僕は前世で凄く良い行いをしたんじゃないだろうか? 僕が気分良く周りを見渡すと、皆バーベキューに夢中になっている。金持ちとは言え、毎日高級肉を食べている訳じゃないだろうから、今日のように友達と楽しく喋りながら豪華な食事をするのは最高だろうと思う。男性チームの声がかなり大きくなっている。ほろ酔い気分で一層テンションが上がっているのだろう。酒を飲んでいるのは4人しかいないのにビールが注がれたコップが5つもある。僕がお酒を飲んだ事なんて無い筈だけど、気分が高揚するって事ぐらいは知っている。
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