アルコール

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アルコール

よ~し、こんな楽しい日は僕も飲んじゃうぞ~。 僕は男性チームの隙を見て5分の1程度ビールが入ったコップの縁を咥え、少し皆から離れた場所を陣取ると、咥えたコップを上げ、半分程こぼしながらグイッと一気に飲み干した。 何と言うか、味はよく分からない。人間と猫で味覚に違いがあるのは当然だけど、人間もビールが美味しいのは最初の1杯目だけだとか何とか……。結局のところ、アルコールで酔っ払いたいだけって話だよね。じゃあ、猫も一緒だ。僕も皆と一緒に今日を楽しみたい。 僕は、もう1匹魚を貰う為、誰におねだりしようか考えながら戻ろうとした時、目の前の景色がグニャリと曲がった。自分の意識とは違って右の方へ引っ張られる。 ボチャン 冷たい水をぶっ掛けられたと思った瞬間、自分の顔が水の中に浸かり、川へ転落したと気付いた。僕は焦ってバチャバチャと暴れる。脚がつくぐらい浅い筈なのに、どっちが地面かよく分からない。 苦しい、助けて。スミレちゃん! 完全に溺れてしまった。最高に幸せだった少し前に戻りたい。ちょっと酔っ払ってみたいという好奇心でドン底に突き落とされるだなんて……。 顔が完全に浸かってしまい、鳴く事も出来ず、助けを呼べない中、僕はスミレちゃん達が気付いてくれる事を神に祈るしかなかった。 苦しいよ~……。スミレちゃん……。 僕は意識が無くなるまで苦しみ続けた……。
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