24人が本棚に入れています
本棚に追加
数分後。
バレ子が教室へやってきた。
「おめでとー! カップル成立! ゲームクリアだねっ。って、ウルトラくん大丈夫!? 鼻血出てるよ? 広恵ちゃんも顔が血だらけ!」
「し、幸せ過ぎて血が……」
「大丈夫! 壮くんの返り血なら喜んで浴びますっ」
自分も血がついているのに、俺の口元をハンカチで拭いてくれる彼女。
ああ、俺ってこういう子、好きだったっけ?
よくわからないけど、もう「モテたい」とか、どうでもよくなった。
こうして俺には、初めての彼女ができた。
「とりあえず、幸せそうで何よりだよぉ。じゃあ、さっそくプレゼントを……」
「いらない。もう欲しいもの、手に入ったから」
「えっ、いらないの!?」
「私もいらないです。成就したから」
俺は吾味と見つめ合って、笑い合う。
「そっかあ。じゃあ、誰もいないけど、一応インタビューするね! 今の感想は?」
バレ子が、マイクを俺に向ける。
俺は鼻血を流しながら、今日一番のドヤ顔でこう言った。
「やっぱ時代は埼玉だよな! イエイ!」
最初のコメントを投稿しよう!