男の娘LoveMe!

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 俺、三浦俊介と、高橋詩音は幼なじみだ。物心着いた時から一緒に遊んでいて、詩音はちょこちょこと俺の服の袖を掴んで着いてきていた。だがある日。詩音がいじめられている所を見つけてしまう。内容は、「女みたい」「男らしくない」など薄く下らないものだ。今思えば無視すればいい、と思うのだがこの時はまだ5歳と幼い。更に詩音はとても純粋で、何でも真面目に受け取ってしまい、心無い言葉で心を傷つけていた。当時は俺も幼く、感情を抑えるのが難しかったため泣いている詩音を見てつい感情的になり反撃してしまった。 その後先生に怒られ虐めていた子は注意されて事は収まった。この事は、他にもやりようはあったと反省したが、後悔はしていない、詩音の笑顔を守ることが出来たのだから。俺は詩音の笑顔を可愛いと、感じるのだが、当時は男は格好良いという価値観があったため、可愛いと感じることをおかしいと思っていたのだが、成長し、視野が広がった今なら自身を持って言える。可愛い、と。 現在、俺と詩音は高校一年生になった。俺は体も成長し、身長も180cmを超え、程よく筋肉が付き、男らしい体付きになった。詩音は俺とは正反対に、身長は158cmと低く声も男性にしてはとても高い。例えるなら、低めな女性の声、だろうか。手がとても柔らかく、同じ男とは思えない。女装させた…ゲフンゲフン。取り敢えず詩音はとても可愛い。噂では、学校の女子が詩音君女装させ隊などと羨まけしからんグループを作っているのだとか。そのグループ俺も入れ…今すぐ消しなさい!とここまで詩音の可愛さを語った訳だが、詩音は、狙って可愛くしているわけではないという。天然だと!?むしろ男らしくない自分が嫌で仕方が無いらしい。そんな事を言わないでほしい物だ。ここまで可愛い男の娘は他に居ないだろう、自分に自身を持ってほしいな。 しかし、ここまで可愛い可愛いと言っているが恋愛感情は全くない。俺はただ 可愛いものを愛でているだけなのだ。小動物を愛でるみたいな感覚だ。しかし、だからこそここまで可愛いと思えるのだろう。俺はノーマルなので普通に女性を好きになるし男性をそういう目では見たことがない。ただ、詩音ならいいかな?とは少し思ってしまう。そんな事を考えながらふと時計を見てみると11時を回っていた。さて、そろそろ寝ようかな。いつもならもう少し後まで起きているのだが、明日は詩音と遊びに行くのだ。三十分前には着いて置きたいため早めに寝るのだ。明日の準備を済ませ俺は明日の事を考えながら眠りについた。 「ふぅ…」 深くため息を吐き、心を落ち着かせる。明日は初めて女装をして遊びにいく。 この日のためにメイクに着いて調べ、必死に練習した。服も慣れない女性物で、選び方がわからず戸惑いながらも選ぶことが出来た。彼は喜んでくれるだろうか、少しでも意識して貰えるだろうか、、そんな漠然とした不安の闇の中に意識してくれるかもしれない。そんな期待が淡く、しかししっかりと輝いていた。やれることはやった、後はなるようになる。そして、僕は眠りにつく。 「…おやすみ」 ここにはいない、近くも遠い彼にそう言い残して。。
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