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私の子供は生まれる前に私と一緒に沈んでいきました。
囲まれた世界。ときに濁りときに透き通る水のなかで、ゆらゆらとお尻をふるのが私たちにとっての「生活」でした。
ある日私の下でくるくるまわる素敵なひとがいました。
まわる背中に光る鱗がほんとうに素敵だなと感じたので、私は「きれいね」と伝えました。そうするとそのひとが私を後ろから抱きしめました。
とてもいい気持ちでした。明滅する光がありました。擬似的な死が私の目のまえで手招きしていました。
突然、素敵なひとはきりきり舞いになって落ちていきました。
そのときに、私たちの世界にも底があるのだなと知りました。いつもゆらゆらとお尻をふるだけだったから、落ちるなんて考えたこともありませんでした。
ほんものの死は、ちかちかなんて光ってなくて、ただ灰色の底なんだと知りました。知った時には私も底に横たわっていました。
私のお腹には生まれなかった子供が、そのままおりました。
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