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――――「アーレ、ここにいたの。部屋に行ったらいないから」
母親がアーレの様子を見に来たが、部屋にはいなかったので、クラシャスの様子を見てから探そうとしたがここにいた。
「お母さん。さっき、クラシャスさんが唸っててね。それで」
「そうだったの。でも、その声、アーレの部屋まで聞こえるくらい大きな声だったの?」
「ううん。でも何となく感じたの。僕も寝ていたんだけど何となく」
「そう・・・」
アーレの話を聞いて母親が不思議そうな顔をした。
「何か変?あ~でも、不思議だよね」
母親の顔を見て、アーレはあの不思議な感覚を思い出した。
「そうね。でもね。―――ううん、何でもない。きっとクラシャスさん、夢見が悪くて、心のどっかでアーレを思い出したのかもしれないわね。それがアーレに伝わったんでしょ」
「そうかな?」
「ええ。森の中で大変だったんですもの。安心したのよ。そうそう、アーレ何かお腹に入れないと。今持って来るわね」
「ありがとう」
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