俺様は猫である

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「おい、お前。俺様を見て、宇宙人にでも遭遇したみたいな、けったいな顔を見せるとは、どういう了見だ」 わたしは、今とても混乱している。 「なんだ、口までパクパクさせて。金魚なのか、お前」 もう一度言おう。わたしは今、とても混乱している。 「なるほど、声もでねぇーくらい俺様の美貌に見惚れてるんだろう?」 そのナルシストっぷりに圧倒されているからではない。 「いいぜ。存分に堪能するがいいさ、特別に許可してやる」 鼓膜に響く低音ボイスが、今まで聞いたことがないくらい良い声だったからではない。 「ねっ、猫がしゃべった〜〜!!!!」 突然わたしの前に現れたのが、人語を話す麗しい猫様だったからだ。
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