第一章 13.聖堂

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第一章 13.聖堂

侍女もそれぞれ役目を分担して仕事をしてくれている。 どの子も本当にいい子で一生懸命やってくれる。 そのため部屋にはほこり一つ見当たらない。 ゆったり過ごしていると・・ ーカリナ様、これが部屋の前に置いてありました。ー 朝起きたばかりのカリナは眠いと思いながらも手紙を受け取る。  カリナへ 今日の夜六時、聖堂のところに来て欲しい。 約束だからな。               デュークより 「デューク様から? でもこれはあの方の文字ではない・・・。」 もしかしてギールグット皇子が? 何がしたいんだろう? 前言ってたデューク様が身内を傷つけたことかしら? 気になるわね。 「紙とペンを用意して頂戴。」 ーわかりました。持ってまいります。ー 六時、聖堂 「やはりあなたでしたか、ギールグット皇子。」 「あれ?気づいてたの! まぁいいや。来たんだもんね。」 「ご用件を言っていただいても?」 「そうだね。 ・・・デュークの恐ろしさについてかな。」 予想が当たったわ。 「では早速話してもらっても?」 「いいよ。 まず、身内を傷つけた件で言うと、兄上が傷つけたのは俺と兄上の実母だ。」 実母・・・。でもそんな方ではなさそうだけど。 「俺の真ん前で頭を殴ったんだ。意識を失うくらいまで。 兄上は俺の存在には気づいてなかったけど。 当時から笑わない冷徹皇子とか言われてたけど、最初から恐ろしい人だったんだよ。実母を気づ付けたんだ。お前だってある意味人質だろ。必要なければ殺されるさ。」 微笑みながら話すあなたも恐ろしいんですけど、存在に気付いてなかったということはそれだけ集中してたのよね。理由はなんだったのかしら。 「ギールグット・・
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