第一章 16.本当のこと。

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第一章 16.本当のこと。

「それもそうですね。 兄上の独自欲が予想以上につよかったし。」 「独自欲・・・。 ギールグット様はそれほど好きなんですねデューク様を。 自分のことを見て欲しかったんでしょ? 素直にしてれば受け入れてくれると思うんですけど。」 「そうかな。 どうやってやっても振り向いてはくれないんだよ。 今回だって自分に対策すらもしなかった。 完全無視なんだよ。 素直にやって受け入れてくれるわけなんかわからない。 兄上にとってはあんまり重要じゃないのかな。 俺は。」 そういいながらギールグットは窓をあけて窓があった部分に座り込む。 そして、下を眺めながら何かを考えている。 しばらくたった後、ギールグットは飛び降りるかのように窓から消えていく。 「ギールグット様!」 その瞬間、横を何かが駆け抜けていく。 デュークだった。 「兄上・・・。」 「何やってんだギールグット。」 そして片手でもうすぐ成人するギールグットを引き上げる。 そこの疑問は置いといて、 「なんでここにいらしゃるんですか。」 「カリナはだまって聞くようなタイプじゃないからな。 ついてきた。」 「「えっ・・・。」」 「全部聞いてたんですか・・・。」 「まぁな。 お前何やってんだ。ギールグット。 そして別に無視してたわけではないんだが。」 「えっ。」 「お前の真ん前で・・・母親を傷つけただろ。 お前は虐待されていようが唯一の母親だからか母親すきだったろ。 俺は俺だけで良かったと思ってたんだ。 虐待すんのは八つ当たりは、弟にはしてほしくなかった。 母親にもいったけどそんなこと守ってはもらえなかった。 ただ・・
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