第一章 19.甘い時間Ⅰ

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第一章 19.甘い時間Ⅰ

次期王妃という立場になると、毎日予定が何かしら入っている。 なので、起きて準備している間に今日のご予定と言われる。 前の予告があってから嫌な予感がしているカリナは耳を立てて聞いている。 ー本日は、 午前十時からデューク皇太子殿下とのお散歩 正午からデューク皇太子殿下との昼食 午後三時からデューク皇太子殿下とのお茶会。 午後四時から公爵令嬢方とのお雑談会 午後七時からデューク皇太子殿下との夜食 が今のところ決まっております。ー 「はっ!!」 五個の予定の半分以上がデューク様とのことであり、公務らしきものがたったの一つしかない・・・。 呆れ半分で十時からの予定に向けて準備される。 ー急にデューク皇太子殿下予定入れてきましたね。 さてはなんか進展あったんですか!!ー 「そんなことはないはずです。」 ーフフフ。ー 何よその笑い。 午前十時 庭園 「お待たせしました。」 「待ってないよ。時間もピッタリだし。」 「良かったです。」 「花が好きなんだよね。何が好きなのかわからないから今日は庭園にしたんだけどいいかな。」 「全然いいというか・・嬉しいです!」 「良かった」 デューク様といるはずなんだけどどうしても花に目を奪われてしまう。 やっぱ私はな好きなんだな。 「綺麗です。」 「ねぇさ俺がいること半分忘れてたよね。一度も目線会わしてくれなかった・・・。」 「すみません!つい・・・。」 「いいんだよ。好きなんだもんね・・・。」 あきらかに落ち込んでいるというか・・・どうすればいいのよ。 「でも他の男には花みたいに夢中になったりしないでね。 ギールみたいにふたりきりもやだから。」 「ギールグット様は弟ですよね・・・。 でも他の男の人に夢中になったりしません。 私はデューク様一筋です。」 「カリナ・・・好き!!!」 普段はきりっとしていて冷静なクールな雰囲気を漂わせているのに、私といるときはすごく微笑んでくださるし態度が子犬みたいな感じで可愛い! そんなこと思っていると・・・額に息がかかる。 いつのまにか抱きしめられてて額にキスもされていた。 そのことに気付いたカリナは一瞬でリンゴちゃんになってしまうのだった。
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