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第二章 1.まさかの発言
デュークとの甘い時間を過ごしている中で、カリナの母国デルン帝国への帰省がきまった。カリナの両親、シルス公爵夫妻はカリナが幸せであればいいという人だったので、今回の事はカリナに任せると告げていた。
そして、カリナの顔をみたいと言われたこと。
デルン帝国皇太子との婚約破棄の正式手続きをしなければならなかったのだ。
「カリナが正式に自分の花嫁になってくれるのか~。
もっと早くこれば良かった。」
「デューク様!」
真顔で物凄くカリナにとって恥ずかしいことを言ってくるので思わず声を出してしまう。
「馬車がこんなにいい場所だとは思わなかったよ。
いつもよりカリナとの距離が近い。」
ーつきました。シルス公爵家に。ー
「残念・・・。」
「カリナ!」
「父上、母上。」
「元気にしてたか。」
「はい。」
「この様子だと愛されてるようだね。」
「はい。」
「話を聞かせてね。」
「もちろんです!」
「皇太子殿下少しお話が。」
「皇太子殿下、娘を愛してますか?」
「はい。もちろん。
無理やり連れて帰ってしまいましたが、愛してます。
これだけは断言できます。
と言っても癒されてるのはこっちですが。
この世でカリナただ一人を愛すると誓います。許してはもらえないでしょうか。」
「カリナがあんなに幸せそうな顔しているのは初めてだよ。
今となっては、辛い花嫁教育を幼い頃から受けさせて寂しい思いをさせたのに結局報われない結果となるはずだった。
でも、殿下のおかげで生き生きしてる。あんな顔をみたのは凄く久しぶりで
・・・辛い思いをさせたのだから、結婚する相手はカリナが愛した相手がいいんです。カリナが幸せになってくれればもう、十分ですから。
どうぞ娘のことをよろしくおねがいします。」
「もちろんです。何があっても守り抜いてみせます。」
「後、もし何か我々に出来ることがあれば言ってください。
恩返しです。
正直言って、あの皇太子だと信用ならないですから。あの皇太子が即位でもしたらやめるか、あなた様の臣下になりたいんです。
この国の望みは少なすぎる。」
「そんなことおしゃって大丈夫なんですか?
私はいつでも大歓迎ですよ。カリナのご両親ですし、宰相になるほどの実力もあるわけですから。」
「それは良かったです。」
一日止まった後、神殿に向かった。
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