第二章 6.デルン皇太子

1/1

79人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ

第二章 6.デルン皇太子

デュークが泣き止んだので、部屋に帰った。 そして、すぐに発てるように荷造りをしていた。 邪魔者がきた。 デルン皇太子だ。 「カリナじゃないか。」 「デルン皇太子殿下、何用でしょうか。」 「哀れなカリナよ、私が救ってあげよう。」 「何が哀れなのです?」 「あんな残酷な皇太子のもとにとらわれているのだろ。」 「はっ。」 急に訪ねてきたかと思えば、意味わかんない言葉をいってくる。 しかも、デューク様を批判してくる。 「いまならば私の婚約者に戻してあげても・・・。」 「いやですね。死んでもお断りです。 さぼりにくる場所を間違えていますよ。」 ローズを覚えているだろうか?この皇太子が好いているローズという人物を。 この皇太子からして、婚約破棄は困らせるための一つの手段に過ぎなかった。 嫉妬してほしかったらしい、自分よりも優れている私を。 それにローズは利用されていた。 金で脅されていたに近いだろうか。 あの事件以来、やり取りをしている。 そこには、自分は皇太子妃になれる可能性は低いが、すこしでもそばに居る者としての役目を果たそうとしている。 皇太子にも勉強などを教えているらしい。 その行動はカリナのことを真似してのことだが。 そのローズからこの皇太子は逃げてきたのだ。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

79人が本棚に入れています
本棚に追加