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第二章 6.デルン皇太子
デュークが泣き止んだので、部屋に帰った。
そして、すぐに発てるように荷造りをしていた。
邪魔者がきた。
デルン皇太子だ。
「カリナじゃないか。」
「デルン皇太子殿下、何用でしょうか。」
「哀れなカリナよ、私が救ってあげよう。」
「何が哀れなのです?」
「あんな残酷な皇太子のもとにとらわれているのだろ。」
「はっ。」
急に訪ねてきたかと思えば、意味わかんない言葉をいってくる。
しかも、デューク様を批判してくる。
「いまならば私の婚約者に戻してあげても・・・。」
「いやですね。死んでもお断りです。
さぼりにくる場所を間違えていますよ。」
ローズを覚えているだろうか?この皇太子が好いているローズという人物を。
この皇太子からして、婚約破棄は困らせるための一つの手段に過ぎなかった。
嫉妬してほしかったらしい、自分よりも優れている私を。
それにローズは利用されていた。
金で脅されていたに近いだろうか。
あの事件以来、やり取りをしている。
そこには、自分は皇太子妃になれる可能性は低いが、すこしでもそばに居る者としての役目を果たそうとしている。
皇太子にも勉強などを教えているらしい。
その行動はカリナのことを真似してのことだが。
そのローズからこの皇太子は逃げてきたのだ。
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