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第一章 3.皇太子の本音
「なんで私なんですか。」
「一目惚れしたからだ。」
「まぁいいです。自由は無くなりましたがあの国から離れられるんで。」
「公務以外だったら自由にしていいさ。無理やり連れ帰ったし。何より
お前が望むんだったら、全力でこたえたい。」
何も言えません。結構ガチっぽい雰囲気が漂っているんですけれども。
ってか笑わない。微笑む言葉すらこの人にはないのか。
ずっと真顔なんですけれども。
「ありがとうございます。では自由に過ごさせてもらいます。」
馬車なのに仕事するんだ。よく酔わないよな。
あの会話いらい一言も喋ってない。
気まずい。
「襲撃だ。馬車をお守りしろ。」
「カリナここにいてくれ。一歩も出るな。」
「あっはい。」
守られる側がわざわざでるなんてお人好しなのね。
「いい加減にしろ。襲撃するなどいい度胸だ。」
この人強いのね。当たり前か。
「大丈夫か。矢に刺されてる。」
矢…怪我人。
「どんな状況なのかしら。ただの矢ではない雰囲気が出てるわよ。」
「毒矢だ。解毒薬が効かないんだ。」
「これよく盗賊が使うやつじゃない。ちょっと待ってね。」
薬草を探しに行く。これは意外に身近なもので解毒できるはずだ。
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