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第一章 7.願い事
「そんなこと思ってくれてたんだね。カリナ。」
恥ずかしい。
こんな顔の真ん前で言われたら、顔真っ赤になっちゃうから。
「ではカリナ嬢を次期皇太子妃、皇太子の婚約者として認める。」
黙って廊下を歩く。
どうしよう。あの言葉を思い出すと今でも恥ずかしくなっちゃう。
「もう少し気を抜いても良かったんだぞ。」
「えっ。」
「絶対に父上はあの皇帝はどんな結果であろうとも、カリナを俺の婚約者にしたはずだ。デルンの人質としてな。」
言葉から皇帝への嫌悪感が出ている。
あの皇帝も一切合切笑わなかった。皇后もうつむいていた。
恐ろしい方なのかもしれない。
「でも嬉しかった。あんなふうに言ってくれるなんて思ってもいなかった。
ありがとう。絶対幸せにするから。」
その瞬間抱きしめられた。
えっ。
突然のことに驚いてしまう。
「なにか欲しいものとかある?
物凄くカリナの願いをかなえてあげたい。」
えっ。
う~。無理だよ。精神もたない。
「ふたついいですか?」
「いいよ。」
「畑をもらいたいのと。アクセサリーのある店というか特注できる店に二人で行く時間が欲しいです。
あー。えっと、忙しかったら後でもいいので。」
「わかった。おやすみ。」
帰っちゃった。
抱きしめるのは反則なんですー照
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