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#04. 生命
「和貴ー悪いんだけどベビーバスにお湯張っておいて。蓮が、うんちしちゃったぁー」
はいはーい、と台所にいて腕まくりをしていた和貴が返事をする。「美織は宿題やっときなよー」
はいはーい、と答えて部屋に入るのは美織だ。小学校は冬休みといっても宿題があるから、大変。――まさか、この年になって出産するとは。授乳してお胸が痛くなる感覚も懐かしい。赤ちゃんに特有の麦わらみたいな頭の香りといい……、あまーい母乳の香りといい。
2021年は年の瀬。生後一ヶ月の蓮のお世話をするわたしは大忙しだ。……マキへの想いにけりをつけて、おうちに帰ったところ、……なんとなく見抜いたであろう和貴に激しく求められ……結果、妊娠。四十歳だけど無事出産出来てよかった。周りのみんなにもおめでとうと言って貰えた。
勿論からだはきついが、美織も和貴も協力的で助かっている。わたしが廉を抱っこして背中をさすりげっぷをさせていると、和貴が、じゃあお風呂入れてくるね、と言って沐浴をしてくれる。
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