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＃02. 再会
「にしても。結衣菜がまさか臨床心理士になるとはね」
「うふふ」と目の前の榊結衣菜は笑う。わたしと大学が一緒だった彼女は、卒業後はスポーツメーカーに就職したが、結局臨床心理の道を諦められず。そして、日本では唯一の、企業吹奏楽団であり、常勤の臨床心理士を雇う流儀吹奏楽団に勤務している。「真咲のほうはどう？ 相変わらず？」
ひとまず、結衣菜たちが実践している音楽療法の実例も紹介して貰い、互いの研究分野を語り合ったのちのこのオープンタイム。相変わらずだよ、とわたしは答える。
「そういえばさぁ。……大学時代、真咲に夢中だった彼、大活躍じゃない？ ……どう？ 複雑？」
一目でこちらの胸中を見抜く、これだから同業者は嫌いなのだ。まぁね、と曖昧に受け流しておく。
「せっかくこっちまで来たんだから。ホールも見ていこうよ。うちの楽団はホールもすごく魅力的なの」
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