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#03. 結論
「なんだ。上京してるんなら一言言えよ」
彼は今度、指揮者の役柄を演じるらしく、よってこのホールで稽古をつけて貰っていたのだそうだ。……結衣菜め。分かっていて黙っていたのだ。
「別に、……明日学会に出てそのまま帰るつもりで遊ぶ時間なんてないから。夜は結衣菜とご飯を……。っとごめん」メッセだ。結衣菜からだ。
『あとはおふたりでごゆっくり♪』
(結衣菜ぁ……)
一応わたし既婚者で子どももいるんですよ? ……はぁあ……そんなことよりも。マキと一緒にいられることにときめいてしまう自分をどうにかしたい。ウィンドオーケストラを指揮しているさまなんか、神が乗り移ったかのようだった。神々しくて、気高い。
『そこのパッセージはもっと激しく』
『明確にいきましょう。外すことなく』
指示をするさまも板についていて、……二次元が三次元になるとこんなんなるのか、と軽く脳に衝撃を受ける。
練習を終えたマキは、黒のトレンチコート姿で、相変わらず黒が似合っている。
そして。同じ世代だけれど肌がぴっかぴかで相変わらず綺麗。そんなに綺麗だとこっちが困っちゃう……。
「榊さんからはなんて?」
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