渇望、および願望とのバランスについての考察

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 友人が辞めると言う。  ――断じて、認めてなるものか。  僕は尋ねる。 「何故、辞めたいと言う」  彼は答えた。 「やりたいことが出来たんだ」  僕は憤る。 「それは裏切りだ。何がお前をたぶらかした?」 「テニス」  ――軟弱者め。  僕達の青春は、そんなものにうつつを抜かすためにあるわけじゃない。  放課後の部室に現れた裏切り者を前に、僕は敵意を(あらわ)にした。  何があろうと、絶対に認めてはいけない。
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