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フクロウの秘密
3人でしばらく山の中を歩いていくと、開けた場所に出た
「多分、この辺りだと思うんだけど…」
自信満々だった、湊音が少し不安げに言った
「あれ?誰かいるぞ」
そう言ったのは、柚希だった
確かに、前方に佇む人がいた
「あっ…おじいちゃん?」
その人物に近付いて行くと、心菜が言った
「おお、心菜か。どうしてこの場所にいるんだ?」
佇んでいた人は、心菜のおじいちゃんで、孫の突然の登場にとても驚いている
「おじいちゃん、ごめんなさい。実は、昨日の夜、おじいちゃんの部屋で地図を見つけたの」
おじいちゃんは、納得した様子で、心菜に話しかけた
「心菜だったのか。昨夜、机に置いておたいた地図が無くなっていてな、、どこに置き忘れたのかと思っていたんだよ」
「私、宝の地図かと思って…。このフクロウはが示す場所は何?」
怒られると思っていた心菜が、おじいちゃんに問いかけた
その場所には、1本の木があった
「ん~宝と言えば、宝だな。もう数十年前の話になるが、1羽のフクロウがこの木に舞い降りてきたんだ。そのフクロウを見た1組のカップルが結婚が即決まってな。それ以降、この木に来る、そのフクロウを見た者は幸せになれるという噂が広がってな…」
おじいちゃんが懐かしむように、昔の話をした
「そうだったんですね」
湊音も熱心に話を聞いていた
「しかし、一目見ようと、大勢の人が押し寄せた。それに、フクロウも驚いたのか、姿を見せなくなってしまったんだ。」
おじいちゃんが少し寂しそうに言った
「えっ?そんな事が…」
心菜もその話にビックリしているようだった
「そう、だから住民で話し合い地図にだけこの場所を残し、山への立ち入りを禁止にすることにした」
「それが、この地図のフクロウだったんですね」
それまで黙っていた柚希もその話に納得しているようだった
「その通り」
一通り話した、おじいちゃんは、3人を見た
「でも、なんでおじいちゃんはこの場所に?」
それまで疑問に思っていた事を、心菜が問いかけた
「部屋を片付けていたら、偶然その地図をみつけてな。久しぶりに来てみたんだよ。地図は無かったけど、場所は昔と何一つ変わっとらんからな」
おじいちゃんがその木を見つめながら、話した
「そうだったんだ…そんな大事なものを持ってきて、ごめんなさい」
心菜が泣きそうになりながら、おじいちゃんに謝った
「分かったから、もう良いよ。また、現れてくれたら、良かったんだが…。」
おじいちゃんが心菜の頭を撫でながら、空を見上げた
「きっと、現れますよ。」
そう言って、湊音も空を見上げた
「うん…きっと、現れる」
「そうですよ」
心菜と柚希も一緒に空を見上げた
その時、「ホーッ」と1羽のフクロウが空を飛んで行ったのだった
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