二 おばあちゃんと猫

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二 おばあちゃんと猫

 僕の実家の近所には小さな駄菓子屋がある。幼少のころはそこに近所の友人と集合し登校したりしていた。そこにはおばあちゃんと「にゃー」という猫がいた。にゃーとなくから「にゃー」そんな直球なネーミングにもどこか愛着を覚え皆に愛されている猫だ。そしておばあちゃんとの関係性も僕は好きだ。おばあちゃんとにゃーはいつもつかず離れずで一緒の部屋にいる。おばあちゃんは基本的に座っているから動かない。にゃーは寄ってきては若干の距離を取る。その繰り返し、そんな距離感の中で喧騒とは無縁の空間でゆっくりとした時間を過ごしている。たまに鳴いて魅せる「にゃー」に今日も癒されに行く自分は時間を忘れてしまっている。  ある日、にゃーはゆっくりと僕の足にすりよってきた。ゆっくりと顔を摺り寄せながらその日はずっと僕から離れなかった。ぼくがかえるまでずっとそばにいた。おばあちゃんからも離れようとはしなかった。二人の間をずっと行ったり来たり。たまににゃーと言ってはまた顔を摺り寄せる。その日を境ににゃー会うことはなかった。うすうすと気づいていたが最後の時は存分にくっついてくれていた。おばあちゃん曰くその日はずっと一緒にいたらしい。 そんなおばあちゃんとにゃーの話。その世界に僕がいなかった話。
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