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私じゃない私。
書類とパソコンとにらめっこして何日目?
コーヒー二箱が、無くなっていた。
「なんか、飲まないとやりきれないわ。」
真っ黒になったコップとケトルを持ってカーテンを開けた。
「おはよー、小雨、テレビ借りてるー。」
「いいよぉ。」
ケトルに水をいれて珈琲の粉を二つほど取って、
私は箱と洗ったコップ、ケトルを持ってからカーテンを閉めた記憶は遠くに飛んでいく。
「もう、嫌だよぉ。。゚(゚´Д`゚)゚。」
思わず涙と声が出た。
多分、目をうるうるさせながら進めていた資料が最後だったんだろう。
紙を取ろうと伸ばした手は机にコツンと当たった。
私は紙を抱えて、
パソコンのデータを握りしめて部屋を出た。
視点切り替え↓
「桜木です。」
「はい、入っていいよー。」
扉が空いて小雨ちゃんが紙のタワーとデータを目の前に置いた。
「お疲れさま。」
小雨は小さく頷いて部屋を出ていった。
視点切り替え↓
夜になっていたから私は珍しくワインを開けた。
結局、朝まで本を読みながら飲んで、シャワーを浴びた。
「苦しいわぁ。わからんよな。」
髪を乾かしながら言った。
洗濯機から洗濯物を出して風呂場に干した。
ペタペタと廊下を歩いてリビングに入った。
「これ、可愛いじゃないですか!」
いきなり波人君が目の前に雑誌の写真を出した。
…私じゃない私が笑っていた。
目の前が霞んで、水面に波紋が何個も出来た。
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