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ポツポツ、と屋根を叩く雨音が弱くなる。
無数の毛先から垂れた雫が少女の足下を濡らす。
その事に気づかないままオーニングの下から手を出して雨の降り具合いを確認する。
それを好機と捉えたのか、少女はびっしょりと濡れたフードを被り直し、雨の街を走り出す。
ばしゃん、ばしゃんっ
聞き慣れた嫌な音に足を止める。
小さかった心音が徐々にドックン、ドックンッと大きく変わる。
周囲見渡し、音の正体を探す。
ぴちゃん──
『ミツケタ、ニンゲン……』
すぐ後から “ 悪魔 ” の辿々しい声が聞こえた。
思わず上げそうになった悲鳴をグッと飲み込み、全速力で駆け出す。
縺れそうになる足を動かし、細い路地裏から大通りに抜ける。
後ろを振り返り、足音が無いことを確かめた後ゆっくりと息を吐き出す。
軽く息を整えてから近くに積まれていた木箱を伝って屋根の上へと登る。
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