1話ー行ってみようー

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1話ー行ってみようー

内側に入れておいたハンカチを取り出し、肌にべったりと張り付いた前髪ごとおでこの汗を拭う。 「ふぅ」と軽く息を軽く吐き出し、屋根の下を覗く。 商店街通りの道には沢山の悪魔が徘徊しているのが遠目でもはっきりとわかる。 当分は下に下りれない事を悟り、どうしようかと悩む。 「……!」 足首に何かが貼り付いた感触がして、ビクッと体が反応する。 恐る恐る足下を見ると、足首に紙が引っ掛かっている。 原因がわかり、ほっと息をついて紙を拾い上げる。 濡れたの影響なのか紙はよれ、文字はぼやけている。 所々読める部分から想像すると、どうやらCarnival(カーニバル)と言うお祭りが開催される予定らしい。 それも商店街通りからナントカ大通り周りの住宅区限定で。 ちょっと愉しそうだなと思い、記載されていた地図を見る。 なんと幸運にも、ここから隣の区に移れば直ぐに行ける距離であった。 地図と屋根を頼りにカーニバルが開催される区に移動することに──。
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