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人生になれたはずなのに、よくよく考えたら、はじめての人生だ。
本当にはじめてだらけだから、なんでも挑戦した。文学だって、なんだって。
そういえば、生まれのも、母のおなかの中にいたのだな、としみじみ思った。母ははじめての出産で、痛くて苦しかったけど、僕が生れて嬉しかったと、話している。
成功するのもはじめて、失敗だらけの人生で、病気に罹ったのもはじめて。
そしていつか僕は死んだ。はじめて死んだ。
そういった記憶を忘れて、自分の意志でまた世界に来た。
そこでもまたはじめて人生を経験したような気がする。
一歩進んで、人生を終えるか、三十歩進んで人生を終えるか。記憶を消されたのもはじめて。いつの日か、神になったけど、それでさえ、修行を終えて、はじめて、他人を救った。
神になって、自分だけの世界を創った。それもはじめて。
そのうちにたくさんの世界が出来て、魂を吹き込むと、人間は人生をはじめて生きる。
はじめてだらけなんだから、失敗してもいいよね、なんて言い聞かせながら生きている。
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