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「ちょっ、あ、あんま見んなー!」
わたしは胸の前を両腕で隠し、あわててしゃがんだ。今さらだけど、この格好はやはり恥ずかしい。
秘密結社アクーダは、悪の女幹部=ビキニアーマーというデフォルトでもあるのだろうか。こんな露出度の高い装備じゃ、まともにヒーローの攻撃を浴びたら一発でやられそうなのに。
というか、だいたいこんな真冬の寒風が吹く中、女の子にこんな格好させるなんて労働基準法違反だろう。おまけに下はTバックだから、お尻が冷えに冷えて凍りそうだし。あーもう最悪。
いや、もっと最悪なのは、こんな超恥ずかしい姿をクラスメイトの小林に間近で見られたことだ。せめてバクサイガーに変身してくれたら、この恥ずかしさも半減しただろうに。
「ううー」
悔しさで呻きながら、わたしは小林を睨む。
小林は困った顔で鼻血を手当てしていたが、やがて身につけていたジャンパーを脱いだ。
次の瞬間、わたしの背中に温もりを帯びた彼のジャンパーがかけられた。
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