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俺は覚悟を決め、手に持っていたスマートフォンを再び耳元に当てた。
「あの⋯⋯豊臣さん。まだ部屋は見ていませんが、たぶんここに決めると思います。帰りにそちらに寄るので、契約書を用意しておいてもらえますか」
ここに決めた。
俺にとっては、10点満点の部屋だ。
まだ誰かのためにできることは少ないけれど、ここにいる人たちの力になることが、その一歩かもしれない。夢への第一歩。
「新田さん。さっきのクイズの答えって、何だったんですか」
「えっ。座椅子の支え?」
「違いますよ~、クイズの答え!」
俺の新生活は、ここから始まる――。
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