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「でも、ブランは猫でしょ? 私、どうすればいいのか……」
一つ屋根の下、私と夫とブラン。
ただ仲良く暮らしていたいだけなのに……。
今では、あの優しかった夫とも喧嘩が絶えない。
それに、これはオカルトじみた話なんかじゃない。
現実に起きている出来事だ。
「真白、その猫……一度見せてくれる?」
優奈は真剣な顔で、まっすぐ見つめてきた。
「ちょうど今、和樹さんは朝から出張でいないから、これから家に来る? あ、でも……」
ブランは、夫がいると言葉も話さなかった。
優奈の前でも同じかもしれない。
もし、そうだったら、優奈も私のことを……。
「ね、知ってた? 猫って、その人が猫好きかどうか分かるらしいよ」
優奈は「猫好きの私なら大丈夫」と得意げな顔で言った。
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