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「空気が美味いな。」
「やっぱり山頂は空気の味が違うな。」
「いや、味はないでしょ。」
「え?」
「そもそも空気に味なんてないでしょ。」
「味方じゃないの?」
「味方?味方って何?」
「だって、空気が美味いなって言ってたじゃん。」
「言ったよ。」
「だから俺もやっぱり山頂は空気の味が違うなって言ったんだよ。」
「いやだから、そもそも空気に味なんてないだろって!」
「味方じゃないのかよ!」
「確かに言ったよ。空気が美味いなって、言ったよ。けど、それは山頂では皆が言う事だろ?実際にはよく分かってないよ。だって、空気に味なんてないんだから、けど皆が言うから俺も真似して言っただけだよ。それを味方じゃないのかとか言われてもだよ。」
「え?じゃあ、お前は実際には美味しい訳でもないのに、空気が美味いなとか言ったって事?」
「そうだって言ってんだろ!でも、お前は違うんだろ?実際に美味しいって感じたんだろ?」
「俺は、感じたよ。山頂は空気の味が違うって感じたよ。」
「じゃあいいじゃん。味のない空気に美味しいって感じたんなら、それでいいじゃん。」
「おいちょっと待てよ。その言い方何か引っ掛かるな。」
「砂場だぞ?」
「山頂は山頂だろ。」
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