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00日目 プロローグ
カランコロン。
喫茶店の扉が開くとともに、扉に付けられた鐘の音が店内に響く。
少し懐かしさを感じる、個人経営の喫茶店に、鐘の音はとてもなじんだ。
「いらっしゃいませ」
喫茶店のマスターが、入店した女性に向けて一礼する。
「おひとり様ですか?」
「いえ、友達が先に来てて……あ、いた!」
女性――ココナは、喫茶店の奥にある四人掛けの席を指差す。
四人が着の席には、既に三人の女性が座っており、談笑している。
ココナは、席に向かって一直線に歩く。
走ろうと一歩目を踏み出し、しかし自分が喫茶店の中にいることを思い出し、速度を落として二歩目を踏み出す。
動きの緩急によって、ココナの金色に輝く長髪をふわりとなびかせ、さわさわと揺れる。
その髪の動きを追うように、白いTシャツの上に羽織ったベージュのカーディガンが、これまたさわさわと揺れる。
ブラウンのスカートは、足の動きに合わせて形を変え、腰に開いた穴からは二本の尻尾がぴょこぴょこ揺れる。
ふさふさとした、美しい狐の尻尾。
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