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ふたりとも黙ったままでエントランスを抜け、エレベーターを待つ。
ガチャ
琢磨さんも黙ったまま玄関まで入って来た。
ガチャリ…
オートロックで鍵が閉まった瞬間、僕は琢磨さんの腕の中に捕らえられ唇を奪われた。
「んっ…ふぅ…」
顎を掴まれ口を開かされたところに、琢磨さんの舌が入り込む。
さっきまであんなに甘く優しかったのに、まるで別人にようだ。
こんなにも求められてることが嬉しいなんて。
僕も琢磨さんの首に腕を回し、深い口づけに応える。
『は…蒼太くん…ヤバ…止まんなくなる』
「琢磨さん…もっと…んっはぁっ」
ジュ…ジュル…
長い長い口づけだった。
「ぷはっ…琢磨さん…」
『ダメだよ蒼太くん…そんな溶けた顔して誘わないで。待つって約束したのさっきだよ?』
「僕が…僕が欲しいんです…」
『うわぁ…またギュンってなった…ヤバ…』
「あの…ずっと気になってたんですけど…琢磨さんの言うギュンって何ですか?キュンとかじゃなくて?」
『あのね、蒼太くんの可愛さはキュンなんてもんじゃないの。全身の毛が逆立つような、まぁ分かりやすく言うと勃つって感じ?』
「たつって…勃つ…え?じゃ今まで何回も?」
『言わせないでよ…盛ってるみたいで恥ずかしいからさ』
僕は琢磨さんの股間にそっと手を当てる。
「わ…すごい…僕でこんなに?」
『ん…ずるいなぁ、蒼太くんにしかこうはならないよ?』
僕は嬉しくて…琢磨さんにチュッとキスをして耳元で囁いた。
「こんな状態で帰れるんですか?」
『本当にいいの?途中でやめてあげられないよ?』
「はい…まずは、秘密を…一緒にシャワー浴びませんか?」
『わぉ、すっごいお誘い…本当に経験ないの?』
「どうせ、全部脱がないと見せられないので…」
『わかった。お邪魔するね、けどこのままだと蒼太くんをめちゃくちゃにしかねないから一旦クールダウン…コーヒーもらっていいかな?』
「クス…もちろんです。座って待ってて下さい」
コトン
小さめのローテーブルにマグカップがふたつ。
ジャケットとネクタイを外し、シャツの第二ボタンまで開けた琢磨さん…
「っ…こ…こおひい…どうぞ…」
『ありがとう、蒼太くん…ここにおいで』
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