最初から最後まで

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『蒼太くん…そのアザを見せたくなくてセックスしなかったの?』 「はい…恥ずかしいでしょ?場所が場所だし、ハート型なんて…タトゥーならまだしも生まれつきだし」 『クスクス…そっか、俺にとっては煽りそのものだけどな。でもそのおかげで今まで誰も知らない身体に触れられた。感謝しかない』 「本当におかしくない?イヤじゃないんですか?」 『うん…好き。俺の為みたいで…ヤバ…ニヤケが止まらない。絶対、誰にも知られないで、見せるなんてもっての外。本当は写メ撮って待ち受けにでもしたいけど我慢する。見たくなったら蒼太くんを剥くから…』 ちゅ…とうなじにキスをくれる。 『明日のデート…中止かも…』 「え?予定ありました?」 『いや…今夜は離れたくないから泊まっていい?ハーパンとTシャツ貸して?』 「はい…でも僕の小さいかも…」 『彼シャツ…萌えるだろ?』 「ふふ…琢磨さん…好きです。あの…今夜は…しないんですか?」 『ん…君に触れて、触れられて…充分だよ。必要な物もあるしね、次回の楽しみに取っておくよ。君との初めては大事にしたい』 僕たちは小さなシングルベッドで抱き合って眠った。 翌朝、目覚めるとコーヒーの香りに包まれる。 『おはよう、蒼太くん』 眩しい朝日を浴びて、リビングの窓際でコーヒーを手にするイケメン…僕の恋人。 「っ…お…おはようございます…」 『どうした?』 「っ…琢磨さん…カッコよすぎ…デス…」 『あー、もう!朝からめちゃくちゃにしたくなる!』 少し寝癖の着いた頭をガシガシする。 「琢磨さんがイケメンなのが悪い…」 『そう?そのイケメンを独り占め出来るのは君だよ?はい、コーヒー』 「ありがと…ゴザイマス」 『そうだ、昨日言いそびれてたんだけど明日から大阪出張で…一週間会えない…』 「え…うそ…」 『ごめん…俺だって寂しいよ?』 「そうですね、仕事ですもんね…」 『一週間頑張って帰って来たら、君を抱きたい』 琢磨さんが強く僕を抱きしめた。 「はい…待ってます。たまにはlimeでもいいから、連絡くださいね…」 『もちろん、電話もするよ。好きだよ…』 ちゅ… その日は昼食までを共にして、琢磨さんは帰った。 一週間ぐらい会えなくても平気…
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