最初から最後まで

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「僕に恋愛相談してます?まぁ、僕も好きだって言われてばっかりで…自分からってのはまだ…わかりません…あー…酔いが回って来ましたね…」 『蒼太くんはモテそうだな…』 「ふふん、モテますよ?けど…」 『けど?』 琢磨さんが前のめりになる… 「……」 『言っちゃえよ、どうせ聞いても忘れる』 「そうですね…僕…まだ…未経験なんです」 『ブホっ、ゴホゴホ…』 「ははっ、大丈夫?」 『未経験って…セックス?キスは?』 「バカにしないでください。キスはたくさんしましたよ?僕…キス魔で…好きなんです」 『ほほう、で…キスまでしといてその先に進まなかったのはなぜ?』 「見られたくないんです…身体…」 『?なぜ?そそる身体してると思うけど?』 「秘密です、自分と親以外知らないんで…」 『そうか…そんな事もあるよな。いつか俺には教えてくれよな?』 「そうですね…琢磨さんなら笑わないかな…」 琢磨さんは優しく…笑った… 『よし、今夜はお開きだ。これ以上飲むと蒼太くんに絡んじゃうから』 「いいっすよぉ、絡んでいただいて…」 『蒼太くん…俺言ったよね?ゲイだって…襲っちゃうかもよ?』 ドクン 琢磨さんが一瞬見せた色っぽい顔を見逃すわけない。 『っなーんてな。冗談だよ、また飲もうな』 「はい…もちろんです」 僕たちは…店の前でじゃあなと手を振って別れた。 その夜はお酒の効果もあり、シャワーを浴びてそのままベッドヘ倒れ込んだ。 微睡の中で彼を思い出す。 連絡先の交換もなかったし…なぜ僕を食事に誘ったのかも聞けなかった。 ああ…友人が欲しかったのか、自分がゲイでも引かない友人。 僕は、そうなれるだろうか?自分もゲイだって言えなかった。 いいか…毎朝、電車で会えるから。 琢磨さん…おやすみ…なさい。 『蒼太くん!おはよう』 「琢磨さん…おはようございます。昨日はご馳走様でした。次は僕が」 『うん、楽しみにしてる。大丈夫?二日酔いしてない?』 「平気です、琢磨さんは?」 『俺も大丈夫だよ、会話も全部覚えてるし?未経験者なんだよね?』 「うぅ…聞いても忘れるって言いませんでした?」 『ははっ、アレで酔いが完全に覚めたからな』
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