最初から最後まで

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「そんな事しなくても僕には琢磨さんしか見えてませんよ?言ったでしょ?自分から好きになった事ないって」 『じゃあ、俺が初めて?』 「はい、だから機嫌直してください」 『ふふ…わかった』 琢磨さんが僕の顔をじっと見る。 「僕の身体の秘密でしょ?」 『いや…まだ早いよな。待つから』 「琢磨さんなら…いいです。信じます」 『でも【これが秘密です】って身体見せられたら止まれないからな?未経験って言ってたろ?』 「……」 『焦らなくていいんだ。今日は君に好きって言ってもらえただけで幸せ』 「だからです…今までの彼はセックスを断った時点で【もういい】とか【顔だけだな】って…そのままフラれたり浮気されたり…」 『それはひどいな…』 「だから、琢磨さんが待つって言ってくれた事…すごく嬉しいんです」 『一年見つめてたんだ、しかも両思いになれた。後はゆっくりでいい。蒼太くん…好きだよ』 「僕も…琢磨さんが大好きです。明日休みですよね?」 『ああ、デートする?』 「はい!」 『じゃ、お昼前に迎えに行くから連絡先交換しよう』 「そっか…毎朝会ってたから連絡先も知らずに恋人?あの…僕たちは恋人ですか?」 『君さえ良ければ、俺と付き合って』 「はい、こちらからお願いしたいです…ただひとつだけ…僕の事嫌になったら、すぐに言って下さいね」 『は?なるわけない。俺こそ重いってフラれるぐらいだ、ウザかったら言ってくれ』 「僕は…あなたに…琢磨さんに重いぐらい愛されたい…デス」 『うん、俺も蒼太くんをベロベロに甘やかしたい』 「よろしくお願いします」 『ふふ…さあ、そうと決まれば今夜は送るよ』 「大丈夫です、ひとりで帰れますよ?」 『ほら…重いだろ?俺がそうしたいんだから受け入れて』 「クス…わかりました。お願いします」 僕たちは酔い覚ましに歩いて帰る事にした。 『蒼太くん…もしかして秘密ってアソコがめちゃくちゃデカいとか?』 「ぷっ、残念」 『んー、じゃあ…毛がない?それはそれでセクシーだけど?』 「ブー…着きました…上がって行きますか?コーヒーでも?」 琢磨さんは俺が指差したマンションを見上げる。 『ひとり暮らし?』 「はい…」 『玄関まで送るよ』
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