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中編1
猫から言われてもなあと青年は思った。
余命ニャン告を受けて一日目。
青年は奇妙に思いながら散歩をしている。
どこからともなく、あの猫がやって来た。
「お前の命はあともう少しでなくなるニャン」
やはり猫が言葉を話している。
青年は猫にこう言った。
「なんの冗談だよ? 余命宣告って」
「だから、お前の命はあともう少しでなくなるニャン」
青年は奇妙に思いながら散歩を続けた。猫がついてくる。すると、猫が集まってくる。
「かわいそうな人間だニャン」
「あともう少しの命だニャン」
「頑張るんだニャン」
青年はなんで猫たちからこんな言葉を言われなければならないのだろうかと考える。
「冗談はやめてくれ」
「冗談ではないニャン」
「そうだニャン」
「かわいそうな人間だニャン」
余命宣告ならぬ、余命ニャン告を受けた青年は一日目を終える。
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