おばあちゃんの家

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僕はいつもの通りゲームをして少し休もうとゲームを放り出し、畳みに寝転んで伸びをすると天井を眺めた。家と違って壁紙が貼られていない天井は木の模様が色んな顔に見えておもしろい。色んな顔を探すのが僕の密かな楽しみだった。 コツコツ コツコツ 急に物音がして僕の体は強ばり、耳を澄ませ物音のした場所を探した。 コツコツ コツコツ その音は仏壇から聞こえてきた。僕は恐る恐る仏壇に近づいた。一度も会ったことのないおじいちゃんの写真が怖い顔で僕を見ている。 もしかして、ゲームばかりしている僕に怒っているとか? 僕は仏壇のまえでゆっくり正座した。 コトコト コトコト 仏壇の右側の引き出しが小刻みに揺れている。どうやらおじいちゃんが怒っていた訳ではないみたいだ。 誘われている様に僕の手はその引き出しに伸びていった。
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