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つぶらなひとみが僕を見つけた。
でも踊りはやめない。
もう一度僕を見ると目が合った。僕とそいつが暫く見つめ合っていたら、急に動きが止まった。
「ま、まさか。お前おいらが見えてるのか?」
とキーンと金属を鳴らしたような高い声で訪ねてきた。
僕は黙って頷いた。
そいつはあたふたしてから顔を真っ赤にして俯いた。
「ずっと見てたのか?」
また僕は黙って頷くとそいつはもっと顔を赤くして小さな手で顔を覆った。
そいつのそんな姿を見て可愛くないのに何だか可愛く思えた。
「ねぇ、きみは誰?なんでここにいるの?」
僕が聞くとそいつは小さな手を少し開き隙間から僕を見た。
「誰って、おいらはおいらだよ。ここはおいらの家だからいるんだ」
「え?きみの家?ここはおばあちゃんの家だよ?」
そいつは顔に当てていた手を下ろしてにやっと笑った。
「真知子はおいらの家族だよ。お前の事も知ってるぞ真言」
真知子はおばあちゃんの名前だけど、僕は僕の名前を知っているのが1番驚いた。
「なっ、なんで僕の事知ってるの!?」
「ここはおいらの家だから、この家の出来事は何でも知ってるんだ」
僕は生まれてから何回もおばあちゃんの家に来てるけど1回も見た事なんてなかった。
一体どういうことなんだ?
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