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第二章第二節『学校で近づく フタリのこころ』
《第一節
ミノリ「なんてことを
想像しちゃったんだ…
ごめん…」
そういうとモモネは首を傾げた。
モモネ「う〜んっ?
もしかして電車の中でのこと?
何を想像してたの?」
ミノリ「けど変なの思っちゃう…
それくらいオレは…」
モモネ「変なの?変なのって?」
弱虫なオレが…
"一緒に手繋いだり抱きついたり
することを妄想してた"とか…
国民的美少女に…
"キミが好きだ"とか
恥ずかしくって言えなくて…
モモネ「ミノリ…聞いてる?」
ミノリ「あっ…♡うん…
けどなんでもないよ…
気にしないで。」
…思わずその言葉を
心の奥にしまい込んでしまった。
電車の中でぶつかったときも
何想像してたのか聞いたときも
同じことばかり言うオレにモモネが…
モモネ「なんでもないよばっかじゃん♡
まあいいや♡」
ミノリ『学校でも電車でも
外でもいつでも
モモネは可愛いなぁ…♡』
モモネに好きだって言いたい。
でも言葉を口にする勇気が出ない。
今のオレじゃ、
まだ足りないのかもしれないなぁ…
穏やかで少し甘酸っぱい一日が
今日も始まった。
その日の放課後…
オレはナオトと
一緒に帰る約束をしていた。
ナオト「今日も一緒に帰ろうぜ。」
ミノリ「ああ!」
成績優秀なオレは
ミノリ「弁当も水筒も…」
忘れ物もしたことがなく
ミノリ「…持ってるな。
国英物…」
復習も欠かさずにする性格…
だが…この日は
忘れ物をしてしまった。
ミノリ「あっ…いけねっ…
数学のテキスト
忘れっちまった!」
ミノリ「ナオト、
先に帰っといて。」
ナオト「あっ、おっけー」
ミノリ「ありがとうナオト!」
そう言ってオレが離れていくとき…
ナオト「オレいつも置き勉だけどな。」
問題集ありゃなんとかなるし
テキストなんかずっとおいてる…
やっぱミノリはちげぇわぁ!
そう言ってその日ナオトは
ひとりで学校を出た。
オレがテキストをとりに教室に向かうと
そこではモモネが日直の仕事をしていた。
周りにいるのはオレとモモネだけ…
モモネは日直の仕事を一生懸命している。
モモネの可愛さと一生懸命さに圧倒されて
誰もいない教室の前の廊下で
オレがウズウズしていると…
モモネ「あっ、ミノリ。
忘れてたよ、これ。」
ミノリ「あっ…うん、
忘れてしまったから
取りに来たんだ。」
ミノリ「気にさせちゃったよな…
オレほんとダメだ…ごめん。」
モモネ「そんなことないよ…」
モモネは廊下にいるオレに
数学のテキストを渡すと
日直の仕事に戻った。
日直としての仕事を
国民的美少女がやってるのに
なぜかオレ以外誰もいない。
なぜだろう?そう感じていたら
モモネがこうつぶやいた。
モモネ「そっ…それにしてもミノリは
勉強に熱心だよね。すごいね。」
「帰りの会終わりにも
テキスト開くなんて…
ワタシにはできないや。」
そのモモネの言葉でオレは
嬉し恥ずかしい気持ちと
モモネに吸い寄せられるような気持ちが
いっぱいになってしまい…
帰ることも教室の中にいることもできず
廊下で立ち尽くしていた。すると…
モモネ「…あっ、黒板の上
届かないや。
どっどうしよぉ…椅子っ…」
モモネが困ってる…
かっこよく助けてあげたい…
けどモモネがひとりで
やりたいとかだったら…
そう想いながらもオレは張り切って
ミノリ「貸せよ。」
モモネ「えっ…♡」
そう言って黒板の上の方を
掃除してあげたら…
ミノリ「はいっ。」
モモネ「あっ…♡」
モモネ『ミノリって
優しいね。』
とか言われて…
ミノリ「言われるほどの
ものじゃ…ねえよ…」
当然のことだって強がったら…
モモネ『ありがとね♡
ミノリ♡』
ミノリ「う…うん♡」
そんなことをモモネに言われ
オレのほっぺはあっという間に
グレープフルーツのように
赤く染まっていった。
このままモモネとの距離が縮まり
ホントの彼女として接するように
なるまでいけばうれしいな…
モモネとの日々の妄想を膨らませながら
ひとりで笑顔で家へと帰った。
これがユウハの言ってた
突き放されたくないし
近づきすぎももどかしい
恋愛ってヤツなのかな?
だとすればこの経験を
大切にしないと!でも…
いろんな妄想、言葉、
アプローチが思い浮かぶが
"好きだ"という言葉だけが
なぜか出てこない。
こんな状況でオレのモモネへの想いは
モモネに伝わっているのだろうか?
モモネを苦しめていないだろうか?
第二章 完結_____
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