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俺は仕事で疲れていた。
腹もすいたのでどこか飯屋にでも入ろうと思ったが、辺りにはファミレスが一軒あるだけだった。
40にもなるおじさんが1人でファミレスに入るのは、少し勇気が必要だったが空腹には勝てず入ることにした。
案の定店の中にはファミリーや、学生しか見当たらなかった。そこで隣の席に座っていた女子中学生?高校生?2人の会話が、たまたま耳に入ってきた。
「ねぇ、それでどぉだったの?」
「何が」
「何がってあれよ、はじめての…」
そこに割り込むように店員が聞いてくる。
「お客様!ご注文はお決まりですか?」
いや注文よりも気になる、はじめての何?
でもまぁまずは注文しなきゃだ。
「じゃあハンバーグで」
「かしこまりました!しばらくお待ちください」
店員が立ち去ると、私はさらに聞き耳をたてる。
「はじめてだったからすごく緊張しちゃって、少
し震えてたかも。周りからすごい痛かったとか怖かったとか、痛いのは最初だけでむしろ気持ちよかったよ~とか、いろいろ聞いてたからね」
んーそれってやっぱりあのことか?
あれだよね?やっぱり。
「で、実際どうだったの?はじめての…」
そこにまた店員が割り込む。
「お客様!」
またおまえか!しかし俺は冷静で心の広い男だ。
「何ですか?」
「ハンバーグのソースはいかが致しますか?ガーリック醤油か、デミグラスか?」
どっちでもいいわ!…でもないか。
「じゃあデミグラスで」
「かしこまりましたー!またしばらくお待ちくださ~い」
もぉ来んなよー。では続きを。
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