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「声出しちゃ駄目だって」誰が通るかも知れないビルとビルの谷間で行われる行為。事件はいつも誰も知らないところで起きている。「ああ……鏡ちゃんのここ、……あっま……感じてるの鏡ちゃん? すごい……立ってる……」
こんな三流ドラマの主役に自分がなるだなんて思ってもみなかった。安っぽい現実、それが、わたしの人生。
「すっごい……垂れてる……、ね。このまま挿れたら鏡ちゃんどうなっちゃう? 壊れちゃう?」
「あ……、あ……っ」とっくに限界など超えているのに。わたしの、おびただしい蜜で塗れた内ももをなぞるあなたは、やがて、パンティを引きずり下ろし――
わたしをビルの壁へと押し付ける。月夜の下。野性的に、達己の瞳が光っていた。
「――欲しいんなら、ちゃんと、お口で言いな?」
「わ、たし……」びりびりと胸の頂に感触が残る。ほんのすこし、達己に甘噛みされた官能がほとばしる。「……達己を、わたしに、……ちょうだい? わたし、あなたが……欲しいの」
「んぅ? おれのなにが欲しいってぇ?」
「……意地悪」わたしはふくれっ面を作ってみる。「恥ずかしいからあんま言わせないでよ」
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