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ごくん、とタピオカミルクティーを飲み込み、わたしは問うてみる。「……なのに子どもとか考えてるの?」
私立大学の事務員を務めている麗奈。正社員で結構待遇はいいはず。……が。あっけらかんといつも明るい彼女にしては思いのほか暗い顔で、
「……夫なんか要らない。子どもだけ欲しい」
激しく同感です。
* * *
『来週には一度帰れます』
『そのときにまた話しましょう』
「……話すことなんかないっての」だるーい気持ちでスマホのアプリを閉じる。いっそ。夫のほうから別れを持ちかけてくれたらどれほど楽だろうか。
現在、わたしたち夫婦は、冷戦状態にある。夫は現在大阪に赴任中で――彼曰く一度だけ、浮気をした。それをわたしは、許せないでいる。いや、許さない。そのほうが色々と好都合だからだ。
「ねえねえ鏡ちゃーん。これなんかどうかな?」
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