1/1
388人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ

あなたには忘れられない(ヒト)はいますか? 私には一人いる。 そいつを思い出すと自然と身体が熱を帯びる。 スッと細められた目から見下ろされると、身体が疼く。 『はぁ…待って…』 顔のラインに沿って触れてる手に熱を感じる。 『お前の待っては…もっとだろ…』 唇が近づきそうな所で止めて、右の広角だけを上げて意地悪に笑う。 『して欲しかったら、ねだれよ』 『おねがっ…い…キス…して』 顎から頭の後ろに手回し強引に頭を持ち上げられ、激しくキスをする。 男からタバコと香水の混ざった、独特のこの匂いにクラクラする。 頭も心も身体も全部ぐちゃぐちゃにかき乱して魅了する。 私にとっての麻薬。 この男が頭にいるから本気の恋愛は出来ない。 解放されたい… あの腕に戻りたい… この葛藤に惑わされる。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!