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死んだ方がマシかもしれない。
こんな、どうしようもない輩は。
しかし、黒猫は言った。
「命は尊い」と。
こうも言った。
「お前は名前や立場・役割ではない」と。
父親とか、夫とか、そういうものから離れてみる。本当の一生命になってみる。
一番に浮かんでくるのは、やはり娘だ。
唯一、僕を求めている存在。
今のところ。
そんな梨乃を、僕も必要としている。
一緒に過ごした3年。わずか3年だが、かけがえのない3年。それが僕を支えている。
子供に生かされている。
それは梨乃に限らずじゃないのか?
全ての親とは言わないが、ほとんどの親がそうだろう。互いの利害関係を越えた何か。
それはまさしく本能と言っていい。
ただ今は、それすらも取っ払ってみる。
愛おしさだけが残る。
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