お前は、誰だ?

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「名前は、お前たち人間が便宜上、各々を判別するために付けているものだろう。  俺たちは人間から猫と呼ばれている。それも、お前たち人間が勝手に付けたものだ。 『自分は猫だ』と理解して生きている猫なんて、この世には1匹としていない」  それはそうだ。僕は妙に納得した。 「今一度、問う。お前は誰だ?」 「そうですね…。僕は逸雄と琴美の間に生まれた息子です。兄が一人いて、僕は次男です」 「お前の立場を聞いている訳ではない!」  黒猫は、またもや僕の話を遮った。
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