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黒猫は土管の上に坐したまま、ふと笑った。笑ったように見えた。
「…そうだな。
お前は生きている。今この瞬間も、呼吸をやめることなく、心臓を止めることなく、ここに存在し続けている。
頭でいろいろと考えることはあるだろうが、呼吸や拍動、代謝…全てが生きていく活動、そのものだ。
お前は考えて呼吸をしているか?
心臓を動かしているか?
その全てが大きな力によって動かされている。
頭で考えていることも。
そう、お前は命だ。
限りなく尊い、生命だ」
黒猫は尻尾の動きを止めた。
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